「アクアスケープ:オランジェリーバージョン」 - プラスチックだけで作られた骨のない建築

藤木建築デザインスタジオによる革新的な建築デザイン

藤木建築デザインスタジオが、クラゲや小エビからインスピレーションを得て、プラスチックだけで作られた骨のない建築「アクアスケープ:オランジェリーバージョン」を制作。子供たちだけが入ることができるこの作品は、そのユニークな特性と革新的な製造技術により、2022年のA'ファインアートとアートインスタレーションデザイン賞でシルバーを受賞した。

「アクアスケープ:オランジェリーバージョン」は、藤木建築デザインスタジオが制作したプラスチックだけで作られた骨のない建築で、そのインスピレーションはクラゲと小エビから得られました。この作品は、ビームギャラリーからの依頼に応じて制作され、そのサイズと重さから、日本から英国への搬送が困難と判断された初版の「アクアスケープ」を半分のサイズにするという提案から生まれました。しかし、半分のサイズにすると材料の厚さも半分になり、その結果、材料の強度が弱くなるという問題が生じました。

この作品のユニークな特性は、プラスチック素材だけで作られた骨のない建築であることです。初版の「アクアスケープ」はクラゲのように骨のない建築でしたが、この「オランジェリーバージョン」は透明な柔らかいシェルに包まれた小エビのような形状をしています。外皮は透明な2mm厚のポリカーボネートシートで作られ、内皮はポリエチレン繊維で作られた10mm厚のネット構造クッションです。このネット構造クッションは、EVAやポリエチレンのストローファイバーを主成分とし、網目状の三次元スプリング構造を持つ透明な材料でベッドのクッション材として注目されています。

この作品の製造技術は、折り紙技術を応用した形状抵抗構造です。内皮は、0.5m x 4mのネット構造クッションのベルトを織り込んで全体を作り上げています。この作品のサイズは、幅1.5m、高さ1.5m、長さ4mです。

この作品は「子供のための空間」として作られ、子供だけが入ることができます。展示会の間には、たくさんの子供たちの笑顔に出会うことができました。この作品は、ウェイクフィールドのビームギャラリー(オランジェリー)で制作されました。

この作品の制作にあたっては、柔らかく骨のない建築を実現するために、材料だけでなく構造や製造方法も長い間未解決の問題でした。しかし、多くの試みが失敗に終わった後、形状抵抗構造の研究に集中することで、この問題を解決することができました。

この作品は、2022年のA'ファインアートとアートインスタレーションデザイン賞でシルバーを受賞しました。この賞は、優れた専門性と革新性を示す、クリエイティブでプロフェッショナルなデザインに授与されます。これらのデザインは、強力な技術的特性と素晴らしい芸術的スキルを持ち、優れたレベルの卓越性を示し、ポジティブな感情、驚き、そして驚嘆を引き出します。


プロジェクトの詳細とクレジット

プロジェクトデザイナー: Ryumei Fujiki and Yukiko Sato
画像クレジット: Fujiki Studio, KOU::ARC
プロジェクトチームのメンバー: ARCHITECT: Ryumei Fujiki, Yukiko Sato, DESIGN FIRM: F.A.D.S + Fujiki Studio, KOU::ARC, TEAM MEMBERS: Masahiro Hoshida Takehito Kusanagi Kenta Ochiai Aki Sakai Kazuhiro Shimura Soh Kurihara Itaru Morimoto Keiya Sakashita Shuya Tasaki
プロジェクト名: Aqua Scape the Orangery Version
プロジェクトのクライアント: F.A.D.S


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